タイの現地採用で1番仕事ができる?
日本では経験者ではないと中途採用として雇ってもらえないけど、タイの日系企業では日本人であるというだけで現地採用として未経験者を中途採用で採用することが多くあります。
これは本人にはチャンスでもあるけど、逆にキャリアにまったく繋がらなくなってしまうことも考えられる。そのことを理解した上で、別キャリアを歩むということもタイの日系企業への転職でありえます。
ただココで起こるのが勘違い。
タイの日系企業で未経験者として数年もすれば、戦力として数えてもらえることは間違いはありません。でもそれはタイだけで通用するキャリアであって、日本でも同じように通用するとは絶対に言えない。もちろん自身の頑張りしだいではあります。
今回は私のまわりで起きていたタイの日系企業で新しいキャリアを歩み勘違いしている人の事例を紹介します。
タイ現地採用でよくある勘違い
よくあるパターンがタイの日系企業で新しいキャリアを歩み始め1年ほど経つと仕事にも慣れ、いちおう戦力として見られるようになってきます。重要な仕事も任されはじめて、自分は仕事ができるようになったと勘違いしてしまいます。
タイの日系企業では日本人のリソースが不足していることを忘れてはいけません。あくまでタイの日系企業ではあるていど仕事ができるようになったというだけで、日本では通用する仕事内容ではないということです。
なのでタイで新しいキャリアを歩みはじめ、仕事ができると思い込みを持っている人が多く現れます。ただあなたの上司は、そこまでの戦力と考えていないと思います。やはり経験者が中途で入社してきてくれることを期待するのです。
日本での一般的な育て方を振り返る
日本で働いたことがある経験がある人はわかると思いますが、1年目はほぼ期待されていません。会社の体質、めちゃくちゃできる人だった、とかで重要な仕事を任されることもあるかもしれませんが、だいたいの日本の企業では、「何もできないだろう・・」って思いを持っています。
2年目で仕事を任されはじめて、自分のポジションを築けるようになってきます。3年目は完璧な戦力としてみなされます。
まー、この方法が正しいとはまったく思いませんが、多くの企業がこのような考え方を持っていると思います。少なくても入社当日から即戦力でと思っている企業はないと思います。
この考え方が基本であれば、タイで新しいキャリアを歩み始めることへの期待感も薄いことに気づきませんか?
日本とタイでの業務範囲の違い
私はずっとIT企業で働いているので、日本とタイのIT企業の働き方の違いを紹介したいと思います。
日本の企業のほとんどにIT部門があるはずです。IT企業が何かを提案するときには必ず1人はIT部門の人が同席し、さまざまな依頼(無理難題も?)をして来ます。そのリクエストに対して提案活動をするわけですが、資料もハンパなものを作ると突っ込まれるので、しっかりと作りこみを行います。調べることに膨大な時間を費やし、資料を作りこみます。とくにアプリの提案はそうでしょう。
また承認プロセスも複雑で、担当から上司、上司の上司、社内決済(社長承認)などさまざまな対応をしていかなければなりません。時間もかかるし、思いとおりにいかない、また違う登場人物によって振り出しに戻されるなどイラつかされます。
いっぽうタイの日系企業ではほとんどの会社にIT部門は存在しません。超大手企業と呼ばれるような会社にはいますが、大手と呼ばれる会社でも社内ITがいないことがほとんどです。なのでしかたなく兼務でIT担当もやっていますという人、もしくは社長自身で対応するということもあります。そうするとどうでしょうか?
ベンダーにとにかく丸投げ、コンペもしない、判断もよくできないからベンダーの言いなり、IT企業からしてみたら(特に営業マン)は楽でしかたないですよね。なかには提案書なんてつくらず、見積書だけでも受注できてしまいます。
また決済に関しても社長へ直接提案とかなので、社長さえ納得してくれれば買ってくれます。兼務でIT担当をしている人も上司は社長だったりします。これまた楽ですね。
日本では考えられないほどステップが少ないです。こんな仕事のやり方はタイでしか通用しないと思っています。日本にいつか帰って仕事をするんだというのであれば、やはり日本のやり方を理解する必要があると思います。
さいごに
タイで骨を埋めるつもりで、タイで働き生活をしているのであれば、タイでのやり方だけを覚えて成長すればいいでしょう。でもいつか日本に帰って、今回学んだ新しいキャリアを活かそうと考えるのであれば日本とのギャップは常に意識しながら仕事をするべきだと思います。けっしてタイで仕事できるからと天狗になってはいけません。